化粧品というと、メークアップ製品やスキンケア製品をイメージするかもしれませんが、日本においては、旧薬事法(薬事法第2条第3項)(昔は薬事法と呼ばれていたが、2016年に薬機法と改訂)に「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を整え、または皮膚若しくは毛髪すこやかに保つために、身体に塗擦、散布などこれらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」と定義されています。

 つまり、シャンプーやリンス、育毛剤、日焼け止め、トイレタリー製品、フレグランスも「化粧品」に分類されているのです。

 「医薬部外品」も、薬機法にて「人体に対する作用が緩和なものであって機械器具等ではないもの、厚生労働省の指定するもの」と定義されています。これも「緩和な作用」となっています。これは、ソフトコンタクトレンズ用の消毒剤、染毛剤、浴用剤、殺鼠剤などが含まれ、「薬用化粧品」もこの「医薬部外品」に分類され、ある一定の、原則として化粧品よりも優れた効果が期待されるものとなっています。

 化粧品・医薬部外品にとって重要なのは「有用性」「安全性」「安定性」「使用性」の4要素であり、日常の生活に寄り添う製品、となっています。

 さて、現在の医薬部外品ではない化粧品で謳える効能は56項目あるそうです。

平成12年12月28日付で厚生省医薬安全局長より「化粧品の効能の範囲の改正について」が交付されており、下記の通りとなっています。

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。

(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。

(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。

(4) 毛髪にはり、こしを与える。

(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。

(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。

(7) 毛髪をしなやかにする。

(8) クシどおりをよくする。

(9) 毛髪のつやを保つ。

(10) 毛髪につやを与える。

(11) フケ、カユミがとれる。

(12) フケ、カユミを抑える。

(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。

(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。

(15) 髪型を整え、保持する。

(16) 毛髪の帯電を防止する。

(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。

(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料 。)

(19) 肌を整える。

(20) 肌のキメを整える。

(21) 皮膚をすこやかに保つ。

(22) 肌荒れを防ぐ。

(23) 肌をひきしめる。

(24) 皮膚にうるおいを与える。

(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。

(26) 皮膚の柔軟性を保つ。

(27) 皮膚を保護する。

(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。

(29) 肌を柔らげる。

(30) 肌にはりを与える。

(31) 肌にツヤを与える。

(32) 肌を滑らかにする。

(33) ひげを剃りやすくする。

(34) ひげそり後の肌を整える。

(35) あせもを防ぐ(打粉 。)

(36) 日やけを防ぐ。

(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

(38) 芳香を与える。

(39) 爪を保護する。

(40) 爪をすこやかに保つ。

(41) 爪にうるおいを与える。

(42) 口唇の荒れを防ぐ。

(43) 口唇のキメを整える。

(44) 口唇にうるおいを与える。

(45) 口唇をすこやかにする。

(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。

(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。

(48) 口唇を滑らかにする。

(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類 。)

(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類 。)

(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類 。)

(52) 口中を浄化する(歯みがき類 。)

(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類 。)

(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類 。)

(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類 。)

https://www.pref.gifu.lg.jp/kodomo/iryo/yakuji/11224/kesyouhin-seizou.data/kounou.pdf

(56) 乾燥による小じわを目立たなくする(2011年・平成23年に追記)

 効能が書いてあるから、普通の化粧品より「良いんだ!」というのは早計のようです。薬用化粧品には必ず「薬用化粧品」もしくは「医薬部外品」との記載がなされているはずです。

 化粧品の申請は、届出制・製造業許可が必要ですが、医薬部外品では、品目ごとに承認及び製造業許可が必要で、厚生労働省の承認の為に、安全性や有効性など、膨大な申請データが必要なため、多くの費用と長期の開発期間が必要です。そのため、大手企業などの研究開発力を有したメーカーでないと開発が難しいのが現状とのことです。最近通販で「この有効成分含有」などの文言はよく見ますが、医薬部外品の認定を受けていない商品の場合は、上記の文言以外は認められていないので、上記文言しかみられない場合は、「化粧品」として承認を受け販売しているんだ、とみることができますね。

 ところで、近年は海外製品も個人輸入することが出来るようになったため、日本の法律に沿っていない製品も出回っています。当然ながら、使用が許可されている薬品も微妙に異なります。とはいえ、各国それぞれに「安全性」が重要視されていることは共通です。

個人輸入した製品は材料が日本語で表示されていないことが多いため、化粧品で肌荒れを起こしたことがある人は、注意が必要です。

 化粧品はあらゆる生活シーンのなかで使われるため、とにかく、皮膚にトラブルを生じずに安心して使えるための「安全性」がとても重要です。何しても治らない肌トラブル、もしかしたら日常的に使用している「何か」が刺激物となっている可能性があります。なかなか治らない場合は、治らない原因を突き止めるためにも皮膚科を受診することをお勧めします。皮膚トラブルは立派な「皮膚疾患」ですから。

参考文献

美容皮膚医学BEAUTY.#8.Vol. 2 No. 7. 2019.医学出版